定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?

定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫)

定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫)

id:nextd:20080507:1210177278 で読み終えたと報告したこの本。なかなか書く時間がなかったが、ようやく作れたので中身を紹介。うろ覚えだけど。
日本の鉄道が正確なのは有名な話だが、その正確さが他の国とは比べものにならないくらい*1で、外国人からすれば「日本ではダイヤから遅れると運転士は殺されるのかい?」と思えるほどのキチガイクラスらしい。で、それを深く考えていくとその原点は江戸時代にあった…という話。序盤から鉄道に対する考えを次々と変えさせてくれる面白い展開が続く。何よりも、序盤は鉄道というよりかは日本人の考え方というのが見えてくる。まあ、鉄道より早くから存在したのは当然日本人で、その日本人が鉄道を運営しているのだから当たり前なのだけど。とはいえ、日本人の精神以外に、日本の町作りが鉄道の遅延を防ぐ大きな役割になることとなった、というのが非常に興味深かった。
何より驚いたのが、著者が女性だったいうこと。終わりの解説でその話が出てきて初めて気づいたぐらいだ。借りた本だったので、どういう経緯でこの本を書くに至ったか忘れてしまったが、この本がわかりやすい理由は鉄道ヲタとは無縁の女性による文章であるということかもしれない。

*1:鉄道会社における遅延の定義が、イギリスでは30分以上。日本での遅延の定義は1分。(うろ覚え。でもこれくらい差がある。)