Suica男3 -2-

"連立崩壊"

取り扱い注意。中二病的な痛さ。

またしても短期間で連立が崩壊した。かろうじて前回の連立よりは長かったものの、短い期間だったことは間違い無い。連立はなぜまたしてもこのような早さで瓦解したのか−記者が真相を追った。
「ろくな合意もなかったので当然といえば当然ですよ。むしろよくここまでもったぐらい。」
党の幹部である一人は苦笑しながら答えた。今回、連立の成立は恐るべきスピードで進んだ。長年の野党からやっと抜け出せるとの思いで、与党になれるこの機会を逃すものかと党首が意気込んだ結果だった。しかしながら、その陰でこの国をどの方向へ進めるのかといったことはないがしろにされた。大した合意もなかったことにより、成立した法案も数少なく、停滞したままの状況は変わらなかった。むしろ、この連立崩壊によってさらに混迷を極めることとなった。
「…党首も実は全て分かってたんじゃないかな。」
別の幹部は記者の前でこうつぶやいた。連立と共に崩壊した党の再生は党首にかかっている。